
ひつじのおにく
7皿目
平和ってなんだろう
前回は、モンゴル料理屋さんのいろんなひつじ料理で体を温めた白石と黒崎。今回は、二人の大学院の先輩である灰野さんと、ひつじ料理がたくさんあるという南インドカレー屋に来てみました。
白石:こんなにたくさんひつじが・・・夢のよう・・・!どうしよう、全部食べたい。全部注文して大丈夫ですかね。
灰野:今日は食べる気持ちで来たから大丈夫!昨日は楽しみすぎて、ずっとカレー欲を抑えてたよ〜。
黒崎:店内にもひつじモチーフのものがたくさんありますねぇ。早速、いろいろ頼んでみましょう。
・・・ひつじのレアステーキ、ひつじのハート(ハツ)ステーキ、ひつじ脳みそ黒胡椒炒めと飲み物を頼む。・・・
白石:お二人って、一緒にご飯食べるのとかは初めてですか?
灰野:うん、そうだねー。黒ちゃん、仕事、どうですか?
黒崎:いやぁ、最近は平和じゃなくって・・・へへへ。
白石:平和じゃない・・・!?
灰野:だいじょうぶ・・・?
黒崎:私は大丈夫なんですけど、職場で上の層の人があまり現場をわかってない要求をするから、職場全体がピリピリしてるんですよねぇ・・・。ちょっと職員室に居づらい感じで笑
白石:ピリピリって、どんな感じ・・・?
黒崎:比較的朗らかな人が多いんですが、ここ数日笑いがなくって、シーーン、黙々って感じなんですよねぇ。
灰野:それは辛いねぇ。うちも最近、ちょっと平和じゃないような感じなんだよねー。
白石:わーー。二人ともそんな・・・。とりあえず、おいしいもの食べましょ!ほら、来ましたよ!
・・・お酒と料理が来る。早い。・・・
白石:すみません、そういえば結局カレーじゃないけど大丈夫ですか?
灰野:全然OK!すごい、どれも本当においしい・・・。ひつじっておいしいんだね。お酒もおいしい。泥酔しちゃうかも。
白石:泥酔!?
黒崎:ハート、意外とあっさりしてておいしいですね。この付け合わせのたまねぎもおいしいです。
白石:うんうん。脳みそは、白子っぽい感じ?でもこのスパイスの効かせ方が、なんかすごい、ありそうでないおいしさ。
黒崎:あぁ、こんな感じでみんなで「おいしー」って言ってる時って、平和を感じますよねぇ。同じ釜の飯を食べるって言葉もありますし・・・
白石:平和ー!よかったー。職場が平和じゃないぶん、ここで平和を感じて!あ、そういえば、平和と平穏って、同じことかな・・・?
黒崎:うーん・・・えっと、なんか、「限定のグッズが買えなかった!しょんぼり!」って、平和エピソードとは言えますけど、平穏ではないですよね・・・?
灰野:確かに。平和の反対は争いとか、戦争とかになるのかな。
白石:平穏の反対は不穏ですかね?しょんぼりのエピソードは、平和な世の中だからこそのエピソードかな?
灰野:なんか、春って平穏~って感じがしない?
黒崎:明るい~
白石:あったかい~
灰野:きれい~とかね。平穏の象徴が集まってる感じ。
黒崎:さっきみたいに、おいし〜もありますね。あっ、あと笑える〜もですかね?
白石:笑えるって大事だね。なんかでも、そのきれい~とかも、平和じゃないと感じられないんじゃない?
灰野:うん、たしかに。戦争とかあったら、そんなこと気にしていられないもんね。
白石:世の中が平和だったら、みんなの心も平穏で、きれい~とか、おいしい~とかが感じられる余裕ができるのかな。
黒崎:あ、なるほど。今日は、昼休みに外を見て、春の陽気を感じてやっと「あぁ、春だぁ。平和だなぁ。」って思いましたよ。午前は本当に余裕がなかったんですねぇ。
・・・隣の席の人がビリヤニを食べている。こちらもマトンビリヤニとパラータを注文。・・・
灰野:職場の話に戻るけど、不穏が続くと平和じゃなくなる感じがするな。
白石:確かに。一次的だったら、「今は」とか「今日は」ちょっと不穏な空気だったな~って言いますもんね。やっぱり平和って、社会とか環境の状態ですかね?
灰野:そうだね。どのレベルで見ているかにもよるのかも。
黒崎:本人たちは平和だと思ってても、客観的にみてみると背景にはずっと不穏な空気が流れてるってのもありますもんね。
白石:小さい社会の中は平和っぽいけど、実は世界は荒廃してる、みたいな作品ってよくあるかも。
・・・マトンビリヤニとパラータが来る。パラータはまんまるなパン。・・・
白石:なんか、平和って、丸!って感じじゃない?
黒崎:たしかに!◯って感じですね!ピースマークもマルですし。
白石:パラータ、私が切っちゃって良いですか?あっ、3等分って・・・
灰野:120度だよ!
黒崎:ピースマークを作ればOKです!
白石:できました!いい感じ!けど、平和の丸をバラバラにしちゃった感が・・・
灰野:いいよいいよぉ〜。ありがとう〜!
黒崎:わ!上手だ!!ありがとうございます!
白石:これもめっちゃおいしい!あー・・・なんか、おいしいねを共有できるのすごく平和な感じがするけど、何がおいしいかとか、どんなにおいが良いにおいかとかって、全員が全員と共有できるわけじゃないですよね。
灰野:うん。平和の話になるけど、ポイントは共有とか共感じゃなくて、受け入れることだと思うんだよね、
白石:確かに~。なんか、受け入れられないときに衝突が起きる気がします。それぞれの正義があるというか。平和の形は丸って言いましたけど、色とかにおいとかみたいに、それぞれ思う平和がちょっとずつ違う可能性もあるんですかね。
黒崎:相手が自分の平和をわかってくれる、わかろうとしてくれると感じた時に、信頼感が持てるのかもしれませんね。
灰野:わかってくれない、でだいたい揉めるもんね。何言っても無駄なんだってなっちゃうこともあるし。
黒崎:(大きくうなずく)。逆に「わかってくれるなぁ〜」ってなると、それだけ個人の余裕も出てきますよね。余裕が出てくると、「あったかいなぁ、おいしいなぁ、きれいだなぁ」って平和を楽しめて・・・個人の満足感や幸せにもつながって・・・。まさに平和ってウェルビーイングって感じがしませんか?
白石:平和を実感できるかどうかは、個人の幸福度によるってことなのかな。確かに、世の中が平和でも、個人単位で見たらある人は全然平和じゃない環境にいるって場合もあるし・・・。どこを見て平和っていうのかってことだよね。
黒崎:個人個人がどうであれ、窓の外を眺めて柔らかい陽射しがあって、なんとなくスローな生活を送ってそうな人がいて、桜が咲いてたら「あぁ、平和だなぁ。」ってなりますよね。幸福かどうかは自分が決めるものですが、平和ってある意味遠くから観察して「みんな幸福度が高そうだね」って感じ取るものでもありそうですね。
灰野:世界平和なんて遠い話だって思ってたけど、私たちの仕事って、実は世界平和につながってるんじゃない?って、思ったことがあるよ。
白石:めっちゃいいですね。職場での平和も難しいなら、世界平和なんてもう無理なんじゃ、ってなりましたけど、世界平和につながってると思えれば、がんばれそうです!世界は平和であってほしい!
今日のシメ
「平和」って、争いがないってだけじゃなくて、あたたかくて、おいしくて、きれいだと思えて、笑えて・・・・そんなことを感じられる余裕があるってことなのかな。
広くて漠然とした概念だと思ってたけど、「平和」を感じられるかどうかは個人の状況次第だったりして、意外と主観的な側面もあるのかも?それぞれの思う「平和」も、違うのかな。
今回、白石と黒崎は先輩の灰野と共に、羊の各部位を堪能しました。
それぞれの最近の職場の話から、「平和」とは何か語り合いました。
議論の末、三人は「平和」の難しさに頭を抱えつつ、世界平和を祈りました。
みなさんの思う「平和」はどんな形、どんな色、どんなにおいですか?