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スナックあきらの 大人へのエレベーター PNG.png

​第5

他を受け入れながら、適度に流す大人

 

客様​:大学生のりゅうさん

テレビ:今年の地味な仮装大賞は…人事異動のOLをした清水さんです!!

 

テレビ(清水):え、私ですか?嬉しいですうう。実は先月人事異動があってそこから…

 

??:なんですか、これ(笑)

 

あきら:地味な仮装大賞っていうらしいですよ。渋谷とかで盛大にハロウィン仮装をしたくないけど、仮装がしたい!みたいな人が集まるそうで。

 

??:そんな大会があるんですね?!知らなかったなあぁぁ。

   っていうかもうハロウィンなんですね。

大学生のうちに仮装でハロウィンパーティーでもしておくべきだったかな(笑)

 

あきら:社会人でも何歳でも仮装でパーティーはできるんじゃないですか?(笑)

                 っていうか、りゅうさんって学生さんだったんですね。

                 すごい落ち着いているというか、大人っぽい感じだから…。

 

りゅう:えーーーそれ褒めてます?(笑)

一応、大学生4年なんっすよ。

 

あきら:ほーーーそうでしたか。どんなことお勉強なさってるんですか?

 

りゅう:土木が大学の専門です。

でも、地域の団地の魅力発掘、発信と地域課題解決に取り組んでる団体で

活動してます。土木以外にも、町づくりみたいな地域を支えるソフト面の分野にもとても関心があって、考えるとワクワクするんです。

実は、去年大学の仲間と一緒に合同会社を起業したりして。

 

あきら:うんうん。

 

自分の専門や会社について話すりゅうさんは、普段の1.5倍くらいの速いスピード、

そして、キラキラした目で話をしていた。高い志と楽しそうな瞳に惹き込まれ、しばらくママはバーテンの手を止め、「うんうん」と相槌を打っていた。

 

あきら:なんかすごいね。いろんなことに挑戦しているというか...何というか。

 

りゅう:照れますね(笑)

でも、僕の中で挑戦はし続けようと思っていて。

 

あきら:へー小さいころからそう思っていたってこと??

 

りゅう:小さいころからでは、ないのかもしれないです。高校生くらい?

 

あきら:なんかきっかけがあったんですか?

 

りゅう:中学校の頃、あ‼公立です。先に言っておきます(笑)

                 僕、卓球部だったんです。一応副キャプテンで、全国大会に行ったんです。

 

あきら:お~!!!

 

りゅう:僕は、一番上手なエースみたいな存在ではなかったんです。

一人で戦うよりもダブルスで団体戦が得意で。やっぱり、チーム戦、心理戦なので、

ポジティブな声掛けとか覇気?みたいなのすごく重要で。

その点が自分はできていた...のかな?たぶん。

 

あきら:チームを鼓舞する声掛けすごく大切ですよね。私もバレーやっててよくわかります。

 

りゅう:そうなんです。

                 ただ、この「卓球で全国大会」っていうイベントが自分の人生の中で一つ大きな

ハイライトになるな~って思ってたんです。

でも、20代、30代、40代になったときにこれしか自慢できない人には

なりたくないなって思って。

    それを超える何かをしたいと思って、頑張ったのが、勉強だったんです。

 

あきら:勉強!すばらしい。

 

りゅう:全国一位の大学に何としてでも行きたくて。自分でも、浪人した1年を含めて

受験生時代は、よく頑張ったなと思ってるんです。

 

あきら:そうなんですか。

 

りゅう:「浪人」のイメージってどんな感じですか?

 

あきら:ん~ドラマとかではよくハチマキを頭に巻いて部屋で勉強?

                 家族が夜中におにぎり持ってきてくれたりしますよね...?

 

りゅう:あ、、ママ、それはドラマの見過ぎかもしれない、、(笑)

 

あきら:よく言われます(笑)

 

りゅう:でも、よく聞く?見る?イメージですよね。

                 僕の場合、そういうことはなくて予備校に通いながら高校時代の延長として(?)

                 楽しく遊んでましたね。勉強して、家でプラレール作って…。

                 僕って好きな人ができるとその人のこと考えすぎて成績下がるんです(笑)

                 それは一つ悩みでしたね~

 

あきら:青春だ...。

 

りゅう:そうなんです。でも、ひとつ携帯の使い方だけはすごく気を付けてました。

                 何の目的もないんですけど、気が付いたら触ってて時間たっちゃうから。

 

あきら:めーーーっちゃわかります。その気持ち。

                 気が付いたら、Youtubeみたりして、数時間たってるなんてことあります。

                 どうやって予防するんですか?

携帯隠しても自分でするから、場所分かっちゃうでしょ。

 

りゅう:すごい技を開発してしまったんです。

                 まず、携帯を開く暗証番号設定を開いて、適当に設定します。このとき、

番号はノートに書いておくのがポイントです。

この作業を20回くらい繰り返します。

 

あきら:えぇぇぇ。随分手の込んだ仕組み。料理番組みたいになってきましたね。

 

りゅう:でしょ!!まだあるんです。

その後、携帯を開くための暗証番号をわざと何回も間違えます。(笑)

 

あきら:え、、、なんで?

 

りゅう:何回も間違えると携帯が操作できなくなるので。

 

あきら:へーーー!

 

りゅう:そして、数時間後にまた暗証番号が入力できるようになるんですけど、

その時には、ランダムに設定した番号を忘れてるんです(笑)

そんな感じで最難関の携帯と戦ってましたね~

 

あきら:一番の敵は、携帯を触っちゃう自分なんですね。同感です。

 

りゅう:現代特有の悩みだ!!と父は言いながらも応援してくれてましたね。

 

あきら:素敵なお父さんなんですね。

 

りゅう:そうなんです。大学受験1年目の時にも合格した私立大学があったんです。

                 両親はその学校に入学金を払ってくれていたんですけど、僕的にはやっぱり

                 日本一の大学を諦められなくて、結局行かなかったんです。

 

あきら:え!!じゃあ、そのお金は返金??

 

りゅう:いえいえ、返ってきませんよ(笑)

                 もちろん両親とはもめましたけど、最終的に息子の合格をお祈りするために

多額の投げ銭したって考えるってポジティブに捉えてくれて。

その後も、予備校にも通わせてくれてもう頭上がらないっすね。

 

あきら:本当ですね。ご両親からの愛が見えます。

 

りゅう:ですよね!

そんな家族の支えもあって、結果的には国立の大学には入れて学費が安いって。そこんところはひとつ親孝行だったかもしれないです。

あと、僕去年起業したんです。いろんな背景を持つ人たちが対話によってつながるためのソリューションを提供したいと思って。

 

あきら:うんうん!!さっき言ってたね。

 

りゅう:そうそう!!それです。これからどうなるかまだよくわからないけど

今できることを全力でやってるって感じですね。

振り返ってみると、卓球の時も大学受験の時も、起業の時も、何かに挑戦しようとする時ってたくさんの人が本当にいろんな意見くれるんです。

起業に関しても、「社会人で経験積んでから起業したらいい」とか

「何を目指してるかわからない」

とか言われること結構あって。グサッときます(笑)

もちろんみんなが僕のことを思って言ってくれてるんですけど、

全部受け入れすぎてしまうと自分が何者でもなくなってしまうような気がして。

だからと言って、全部をはね返すのも違うじゃないですか。

 

あきら:うんうん。たしかに。聞く耳も大事だよね。

 

りゅう:なので、まずは相手の意見を真剣に受け止めて、その後に自分に必要なところだけ残して、あとは流すっていう作業をしないとだなって思ってます。

 

あきら:自分の殻にもこもりすぎないでってことか。それってすごいバランス難しいですね。

 

りゅう:そうなんですよ~。中々上手くできないですね。振り返ったらあれはな~って

                 反省することも多いです。

                 でも、反省しながらも理想とする姿に近づいてると…信じてます(笑)

 

あきら:かっこいいです!!

じゃあ、りゅうさんにとっての大人はほかの人の意見を流すところは流して、

受け入れるところは受け入れる人ってこと?

 

りゅう:その通りです!!こう思った理由はですね….

 

プルルルルルっ。プルルルル。

 

りゅう:あっ!大変!!重要な用事忘れてました。

 

あきら:重要な用事?こんな夜遅くに…バイト?

 

りゅう:彼女との電話です(笑)

 

あきら:きゃ~~~~キュンキュンしてきた♡

 

りゅう:今日は、クリスマスに行くレストランを相談することに(プルルルルっ

                 あ!ママここにお金置いていきますね!!!また絶対来ます~

 

あきら:は~い。待ってます!次回は彼女さんもご一緒に~~~

                 あ、行っちゃった。まだハロウィンにもなってないのに。クリスマスとは、、、。

 

こうして、ママはりゅうさんとの会話から、イベントの流れの速さを感じながらも、自分は人の話に耳を傾けられているのかどうか考えるママなのでした。

 

 

11月号おしまい

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